こどものせかい
コトリンゴのこどものせかいが本当に好きだ。
知ってる、知ってる、なんだっけかな・・・と
水がゆらめくみたいに、静かに遠くの記憶に耳をすます・・・・
たとえば、
小学2年の夏、今はもうない町のプールに行ったら、誰もいなくて、
だんだん曇り空、暗くなって、雷がぴかぴか光る空を見上げる
ゴロゴロと響く音、恐いけど、きれい、と
友達と2人プールの水にぷかぷか浮かんでいたこと
ずっと灰色と光る空を見つめていて、ポツポツの雨、
おじさんの大声とともに、駆け足でプールを出て、
近所の30円の揚げたてのハムカツを買って食べたこと
雨の匂い、湿度、稲光の曇り空、生暖かいプールの水、肌のぬくもり、
ハムカツを受けとる小窓、電話ボックス、
元気だった大人の人たち、
いろんなもうなくなったこと
こどもの目線
そういういろんな大切な風景を気持ちを
音でたぐりよせられる、
わたしの記憶が音としてここに存在する。
きらっと、さわさわと、しながら1曲の間、浸る。
音で感じる記憶、気持ち、なんで知ってるの、
その音なんだ、それ、こどものころってそうだった、
あの頃の気持ち、あらわす音、
コトリンゴ知ってるんだとドキドキする。
こどものせかい、
音にしてくれてありがとう、と思う。